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皆さんは「大仏」と聞いて、どこの大仏を想像しますか?
有名な大仏としては東大寺(奈良)や高徳院(鎌倉)ですが、昔、京都にも大仏が存在していました。しかも奈良の大仏よりも大きいものもあったそうです。
今日はそんなガイドブックにあまり書かれていない、京都の大仏のお話しをしたいと思います。
奈良の大仏よりも大きかった! 〜方広寺の大仏〜
京都駅からも比較的近いところにある人気の観光スポットに「三十三間堂」がありますが、この三十三間堂の近くに大仏が存在しました。
この大仏は高さ19mあったと伝わり、奈良東大寺の大仏の14.7mよりも大きかったそうです。また大仏が納められていた大仏殿も、東大寺大仏殿よりも大きかったとのことです。残念ながら落成後の翌年に地震により倒壊してしまい、その後3度再建されましたが火災などで焼失し、現在は残っていません。
この大仏殿は方広寺境内にありました。方広寺は現在も本堂が残っていますが、大坂冬の陣の発端となった「国家安康」「君臣豊楽」と書かれた梵鐘で有名なお寺です。隣には豊臣秀吉を祭神に祀る豊国神社(通称:ほうこくさん)、さらにその隣には京都国立博物館があります。
この豊国神社から国立博物館に向かう道沿いに巨大な石組がみられますが、これが大仏殿の石垣です。
残念ながら大仏殿の台座の一部が残るだけで、大仏そのものは全て焼失してしまいました。
現在は、「大仏前交番」や「関西電力大仏変電所」という名称や、大仏殿の正面にあったところから「正面町」という町名や、大仏殿に向かう道を「正面通」と呼ぶなど、大仏殿があった名残りを今に伝える地名があります。
もう一つの大仏は紅葉の名所にあった! 〜東福寺の大仏〜
東福寺と言うと、紅葉で特に有名で、通天橋からの眺めは絶景ポイントとして、毎年ガイドブックやテレビでも紹介されますが、この東福寺にも大仏がありました。
こちらの大仏は高さ15mあり、奈良の大仏とほぼ同じ大きさでした。作られた時期は13世紀中頃で、鎌倉高徳院の大仏とほぼ同時期でした。新大仏寺と呼ばれた東福寺の大仏も、明治14年の火災で焼失してしまい、現在は左手だけが残り本堂に安置されています。
このように、京都には2つの大仏が存在していました。残念ながら今はどちらも姿は無く、復活の兆しもありませんが、いつの時代になるか分かりませんが、いずれまた京都に大仏ができることを期待したいと思います。
神奈川県内に住む私としては鎌倉の大仏が大好きですが、姿が無くても京都人の心の中に生き続ける大仏が羨ましくもあります。
次回もガイドブックに出ていない京都をご紹介したいと思います。
クラ
ブログみました。今は静かな境内の方広寺、かつては巨大な大仏が安置されていたとは驚きです。自分も方広寺に行ってみましたが、大仏とつく地名は石垣といった当時の名残があったとは、興味を注ぐためにも今度は下調べをよくしてから行ってみたい。そう思いました。ありがとうございました。